法静寺花岡福徳稲荷社稲穂祭きつねの嫁入り

2010年の下松「稲穂祭きつねの嫁入り」が開催

きつねの嫁入り

下松市花岡で11月3日(文化の日)、恒例の「稲穂祭きつねの嫁入り」(法静寺 花岡福徳稲荷社 稲穂祭)が開催されました。今年は往路の新婦の衣装が白無垢(しろむく)・綿帽子(わたぼうし)という“伝説の白狐”らしい姿で、復路が色打掛(いろうちかけ)に文金高島田(ぶんきんたかしまだ)の伝統的な姿でした。これは前年とは逆の順番になっています。

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花岡福徳稲荷社

写真は夜の花岡福徳稲荷社。法静寺というお寺の境内の一角にあります。享保9年(1724年)に白狐の夫婦が法静寺住職の夢枕に立ち、「しらむが森」で死んだ自分たちの亡骸を葬ってほしいと頼んだという不思議な話が伝わっています。

太鼓輿

稲穂祭は、まず「園児パレード」と「よさこい踊りの奉納」が行われた後、法静寺の見山住職による門前神事が行われました。

たこやき

付近には、お祭りにつきものの出店が数多く並び、雰囲気を盛り上げています。

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大黒町俵神輿

そして14:00きっかりに御神幸(ごじんこう)がスタート。大黒町の俵神輿が先頭です。法静寺門前はたくさんの人で身動きすらできません。

花岡元気よか塾

子供の太鼓神輿は高く放りあげられ観客はハラハラ。

龍に星

下松市のシンボルである星に、龍をかたどったボーイスカウトの神輿。

花神子

例年は10組限定だった花神子(はなみこ)の行列。参加を希望する方が多く、今年は12組に拡大しました。

きつねの嫁入り1

そしていよいよ「きつねの嫁入り」の新郎新婦がやってきました。このシーンを一目見ようと観客が殺到します。マスコミとアマチュア・カメラマンのシャッターが一斉に切られます。

きつねの嫁入りのアップ

秋晴れの強い日差しが、白無垢・綿帽子の新婦の姿にひときわ鮮やかな輝きを与えていました。

花神子1

花神子の参加は大人気で、翌年の参加募集をするお祭りの2週間後は、朝4時から福徳稲荷社に親御さんたちが並ぶそうです。

花神子2

元気なお子さんが長い時間じっとしてるはずもなく、復路の行進ではリラックスした姿も。将来大物になりそう。

きつねの嫁入り 復路1

きつねの嫁入りは、JR周防花岡駅でお色直しをしてもどってきます。

きつねの嫁入り 色打掛文金高島田

復路は色打掛に文金高島田です。

きつねの嫁入り お面のアップ

前をしっかり見つめる新郎狐と、はにかんだ風情の新婦狐。能役者はほんのわずかな能面の傾きで人の心情を表現するといいますが、まさにそんな感じです。

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しらむが森の謎

ロマンあふれる法静寺の白狐伝説ですが、その中でも「しらむが森」という地名に不思議な響きを感じませんか?

しらむが森(白見ヶ森)は今も実際にあり、場所は周南市大字久米迫田で347号線桜木交差点近くです。

しらむが森 白見ヶ森

地元の人もほとんど知りませんが、古墳時代にはこの森で祭祀が行われ、かつてはその遺跡があったそうです。奈良文化財研究所に記録(遺跡データベースで「しらむが森」を検索)が残っていますが、どんな遺跡だっのか、詳しいことは分かりません。しかし、古代からパワースポットだったことには間違いありません。

しらむが森案内板
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白狐伝説が成立する享保9年(1724年)は江戸時代です。当時、花岡は毛利の萩本藩(はぎほんぱん)ですが、しらむが森は、萩本藩の支藩の一つである徳山藩の領地です。この萩本藩と徳山藩は仲が悪く、1715年に万役山事件 (まんにゃくやまじけん)が起きています。

万役山事件は、たった1本の松の木を切ったことに端を発しますが、最終的に徳山藩が改易になるという大事件に発展します。藩士によるお家再興の活動が実り、1719年にようやく徳山藩は再興しています。

白狐伝説の1724年は、徳山藩が再興して5年後に当たります。当時の法静寺住職が藩の境界をわざわざ越えて狐の亡骸を引き取ったという伝説には、なにやら深い意味がありそうです。

伝説やおとぎ話は、時として表立って話せない史実を伝えていることがあります。筆者は想像をたくましくしてあるストーリーを考えていますが、それはまたの機会に・・・

あなたも、白狐伝説に隠されたストーリーを考えてみてはいかがでしょうか?